環境への配慮に加えて、施設内の快適性や空間デザインのあり方にも一石を投じる次世代型物流施設「Prologis Evergreen」がカナダで誕生しました。木質集成材「マスティンバー」を活用した同施設は、温室効果ガス削減に向けた象徴的な取り組みとして注目されています。 |
コンクリートで作られた無機質な建物―。そんな、従来の物流施設に抱かれがちなイメージを覆すプロジェクトがカナダ・オンタリオ州南部のブランプトンで行われました。
プロロジスが手がけた「Prologis Evergreen」。この物流施設は、木質集成材である「マスティンバー(Mass Timber)」を採用し、環境への配慮だけでなく、施設内の快適性や空間デザインのあり方にも一石を投じる存在となっています。
■ 環境に配慮した素材 「マスティンバー」
マスティンバー(Mass Timber)とは、木材を積層圧着した大体積建材の総称で、CLT(Cross Laminated Timber)やグルーラム(Glued Laminated Timber)などが含まれます。火災への耐性があり、高強度で品質のばらつきが少なく、鉄骨やコンクリートに比べて軽量で、環境への負荷が少ない建材として世界的に注目を集めています。物流施設で活用されるのは珍しい試みです。
「Prologis Evergreen」では、このマスティンバーを積極的に建物の骨組みに用いた結果、約1,163トンのCO₂削減を実現しました。これは、ガソリン車約250台、平均的な家庭約230世帯の1年間のCO₂排出量に相当します。


■ 機能性と快適性
物流施設の内部空間は木の質感によって明るく開放的で、物流施設で働く人にとっても快適な環境が整えられています。「Prologis Evergreen」は施設の性能も高く、以下のような仕様が備えられています。
- 天井高:11m
- ドックドア:35基
- LED照明完備
- EV充電器付き駐車スペース
- ESFRスプリンクラーシステム*

物流施設としての実用性を確保しつつ、優れた環境性能と施設内の快適性を両立させた「Prologis Evergreen」は、今後の物流施設の新たなスタンダードとなるかもしれません。
■ プロロジスのネットゼロにむけた取り組みと「プロロジス・グリーン・ソリューション」
プロロジスは2040年までに、バリューチェーン全体(スコープ1・2・3)で温室効果ガス排出のネットゼロを目標としており、温室効果ガス削減のためのさまざまな施策を展開しています。

■ ESGレポート
世界19か国でのESG目標に対する進捗をまとめた2023-24年のESGレポートを公開しています。
プロロジスは今後も事業運営における環境負荷軽減に取り組むとともに、再生可能エネルギーの提供やエネルギーマネジメントを通して、カスタマーのサステナビリティに関する目標達成をサポートしてまいります。
*従来型より多くの水を使い、火災を素早く鎮火する能力を持つスプリンクラーシステム